人見の理念 | ソープコンサル・人見文章

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人見の理念 

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私が見た景色

ソープランドの仕事は、基本的には「お金のため」にするものです。
誰かを癒したいとか、認められたいとか、そういった綺麗な動機で始まることはほぼありません。
生活のため、借金のため、家族のため──理由はさまざまでも、その根底にあるのは「稼がなければいけない」という切実さ。

それでも鳴らない日があります。
どれだけ努力しても、誰にも呼ばれない。「売りたくもない」大切なものを、「買ってもらえない」という現実に直面する。
沈黙した待機部屋に流れる空気の重さは、実際にその場にいなければわからないでしょうね。

それでも出勤する。
それでも言葉を選んで日記を書く。写真を撮る。
来てくれたその人のことを大切にしようとする。

本来は、「性」産業で、その処理だけが目的の仕事です。
どう接するかは、ドライに割り切ってもいいはずです。
それでもなお、目の前の人を作業としてではなく、きちんと一人の人間との関係として扱おうとする人がいる。
「こんな仕事」と思いながら、全うして自己表現につなげる人がいる。

そこに、どんな仕事にも通じる「最後の誇り」があると思っています。
損得だけで動いていたら見えない、でも確かに存在する矜持。
私がこの業界から離れられないのは、そういう“泥臭さの上にある強さ”を、何度も目にしてしまったからです。

人見の理念

想う知見で、結び、彩る。

 
専門的な、学術的な知識は、この仕事にとって不可欠です。
「売る」ことはそんな単純じゃないから。
マーケティング、ブランド設計、行動経済学、心理学。
稼ぐために必要なのはまず、「知ること」です。
努力は正しい方向に向けなければ意味がありません。
空回って、疲れて、鳴るものも鳴らなくなる。知識のない努力は、むしろあなたを傷つけることさえある。

けれど──知だけでは、人間は動きません。

お店の中には、いろんな感情があります。
「帰りたい」「稼ぎたい」「あの人元気にしてるかな」「どうしたらいいんだろう」
 
スタッフの言葉に、客の言葉に、些細なものに揺れる日々。
誰よりも人の変化に気づいてしまう感受性。
それでももがくみなさんは、強くて、偉大です。嬉しいことも悲しいことも、全部抱えたまま、幸せになりましょうね。

——知と血を結ぶ。
「あなたらしさ」を大切にしながら、あなたなりにこの仕事を全うすること。何度も泥にまみれて、それでも輝けるような場所にする。
それが、私の想いです。